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歯根だけ残ったむし歯について

【歯根の構造】
歯根とは歯の下部にある顎骨の骨体部と歯牙を結ぶ歯槽骨の中に入っている部分を言い、通常は歯茎の中に埋もれていて、円錐の形をしています。表面から順にセメント質・象牙質・根管という構造になっており、その中のセメント質は、骨とほぼ同じ造りで60%の無機質・25%の有機質・15%の水から構成され、加齢と共に厚さが増していくという特徴があります。そして象牙質の表面を直に覆っている無細胞セメント質と、歯根の先端である根尖側1/3のところに存在し無細胞セメント質に覆い被さっている有細胞セメント質とに分類されます。またセメント質の内側にある象牙質は歯の主体となる部分で、70%の有機物・20%の有機物・10%の水から成り、さらにその中にある根管は歯根の中心部を通る管状のものであり、象牙質に囲まれた歯髄腔の根元部分です。そして歯根と歯槽骨の間には繊維状の歯根膜と呼ばれる組織があり、歯と歯槽骨を繋いでクッションのような役割をしています。

【歯根だけが残っているむし歯とその治療法】
むし歯は、自覚症状が皆無でセルフケアなどの再石灰化により健康を取り戻すことが可能なC0から、エナメル質のむし歯象牙質まで進んだむし歯神経まで進んだむし歯、歯根だけ残ったむし歯と大きく5段階に分けられます。歯根のみとなってしまったむし歯はC4と表され、歯茎から上に見える部分である歯冠部の殆どが崩壊した末期の状態を言います。この段階では既に歯髄部分の神経が壊死し痛みは感じなくなっていますが、神経が剥き出しになり細菌に感染することで炎症が起こります。さらに悪化すると根の先端に細菌や膿が溜まって激しい痛みが生じることもあり、そのまま放置すると菌が血管を通って他の組織まで達し、全身の健康へも影響を及ぼす恐れがあります。こういったC4の多くのケースでは治療が非常に困難となり、辛うじて部分的に歯を残せる場合には被せ物や入れ歯の土台にできますが、残存歯質が少なくやむを得ない場合は抜歯となります。そして抜歯後は傷の回復を待ち、欠損した部分を補綴する為のブリッジや入れ歯、或は人工歯根であるインプラントを装着することになりますが、それぞれに利点と欠点があります。ブリッジは自分の歯と相違なく噛むことができますが、固定の為に両隣の歯を削る必要性があり、入れ歯は短期間で作成可能なところが利点ですが、食べ物によってはしっかりと噛むことができない場合もあります。そしてインプラントは自分の歯と同じように噛めますが、埋め込み手術が必要となり、保険適用外のため治療費が他の方法に比べ高額となります。