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サイナスリフトについて

歯科のインプラント技術が向上し、その施術を受ける人が増えています。失った歯を人工材料で補う方法は、古代ローマ時代の人骨からも発見されており、インプラント治療は古くから行われていたことが分かっています。この技術が臨床に登場したのは1910年代からですが、日本においては1990年代に入り様々な製法が開発され広まりました。顎の骨に埋まっている歯根骨の代わりに、フィクスチャーと言われるネジを埋め込み、アバットメントで人工歯冠との間を支持連結させる治療方法がデンタルインプラントです。この方法だと構造的に天然の歯に近い為、ブリッジや義歯よりも自然な噛みごたえが回復できます。このインプラント治療に伴って行われる骨の造成手術の一つがサイナスリフトと言われるもので上顎洞底挙上術とも呼ばれます。鼻の横にある上顎の臼歯部には上部に上顎洞と呼ばれる空洞(サイナス)がありますが、人によっては洞底線が下方まで伸び、インプラントを埋め込むのに必要な骨の量、厚みが確保できない場合があります。上顎の骨は下顎の骨に比べて柔らかい為、歯を失って圧力がかからなくなった顎の骨はやせ細り、急速に歯槽骨の吸収が進行します。そのため上顎洞が広がり拡大する可能性がでてきます。

サイナスリフトは、上顎洞の底の部分を押し上げて骨や骨補填材を移植し、インプラントを固定する為の骨量を確保する方法です。シュナイダー膜と言う上顎洞底の粘膜を洞内の骨面から剥離して挙上し、できたスペースに人工骨や他部位から採取した自家骨の移植を行います。術後3~6か月ほど経過すると、上顎洞までの間に十分な骨が新たに造られインプラントが可能となります。また、自分の骨が5mm以上残っている場合にはソケットリフトと言う方法が用いられます。歯周病の悪化、抜歯後の長期間放置、入れ歯で骨が長期間圧迫されていたと言った場合には、顎の骨は薄くなり高さも減ってしまいます。それらの原因でインプラントを断念していた人にも、サイナスリフトを行うことでインプラントが可能になりました。局所麻酔と静脈鎮静法の併用により無痛でリラックスした状態で受けることができますし、超音波の医療機器を使用することで施術時間が短縮され負担も少なくなるなど、日々歯科医療の分野は進歩しています。あきらめないでかかりつけの歯科医に相談されることをお薦めします。