• このエントリーをはてなブックマークに追加

エナメル質について

歯は、食べた物を噛み砕いたりすりつぶして飲み込みやすくそして消化しやすくします。乳歯は20本、永久歯は32本から成り立っています。その構造は歯の核となる場所に歯髄があり、その周囲を象牙質が覆いその上の歯冠部はエナメル質で包まれています。このエナメル質は身体中で一番の硬さを持ち、鉱物で言うと水晶ほどの硬さなので、虫歯治療の為に歯の表面を削るには、地球上で最も硬いと言われるダイヤモンドを使います。物質の硬さを表すモース硬度ではダイヤモンドは最大の10、エナメル質は6~7です。96%がリン酸カルシウム、残る4%は有機質や水で構成されています。それ自体は無色透明ですが、その下にある象牙質が黄色がかった色をしている為、見た目は黄色みを帯びて見えます。厚さは2.0から2.5ミリと根元に行くほど薄くなっていきます。歯に対する外部からの様々な刺激から神経と呼ばれている歯髄を守ることが最大の役割です。また、歯の健康と美しさの鍵を握る役目も担っています。

エナメル質は歯の最表面にある為、強すぎるブラッシングや硬い食べ物でも傷つく危険性を常に抱えています。また、歯ぎしりや強い噛みしめなどの物理的な力によっても破壊が進みます。一方、歯の表面に付着した歯垢も原因となります。歯垢には無数の細菌が生息し、ミュータンス菌やラクトバチラス菌などの虫歯の原因菌と言われるものも含まれ、その細菌が糖分を取り込んで分解し酸を生み出します。この酸はエナメル質内部の歯の成分を溶かし出し、この状態が脱灰と言われるものです。この状態を放置すれば初期の虫歯からやがて穴があき治療の必要な虫歯へと変化して行きます。初期の段階であれば、溶けだしたカルシウムなどの無機質の密度が上がる再石灰化が可能です。この再石灰化は、唾液の中に含まれるカルシウムやリンによって酸が中和されることで促されます。口腔内のpH値が下がっている、つまり酸性に傾く時間を短くすることでも促進されます。健康で美しく輝く歯を保つ為に、口内環境を整え不規則な生活やストレスを溜め込まない生活を心掛ける事が大切になってきます。