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裏側矯正について

歯列矯正の中に裏側矯正という方法があるのを、皆様はご存知でしょうか。歯列矯正をするためには、矯正装置を年単位の長い期間、歯に取り付けなければなりません。通常は歯表面に取り付けるのですが、裏側矯正では、装置を歯の裏側、舌側に取り付けることで、審美性を保つことが可能です。この手法は現在多くのクリニックで取り入れられている方法で、利用者数も増加してきています。ここでは、裏側矯正のメリットとデメリットを簡単に説明していきます。

まずは、なんと言っても矯正装置が外から見えにくいという点がメリットとして挙げられます。接客業や営業のお仕事をしている方ならば、人と話す機会も多いですし、装置が見られるかどうかで、大分印象が変わってしまいます。できるだけ人に見られずに歯列矯正をしていきたいという希望を持った患者さんが多いのも事実です。次に挙げられるメリットは、虫歯のリスクが少ない点です。矯正装置を取り付けると、そこに食べカスや歯垢が溜まりやすくなってしまいます。すると、そこから虫歯になってしまう場合もあります。唾液には、歯に付着した細菌を洗い流す効果がありますので、舌側に装置を取り付けた場合には、舌が唾液を運んでくれるため、装置を取り付けても虫歯になってしまうリスクを回避できるのです。

舌側矯正のデメリットとしては、舌の動きが少し制限されてしまうため、言葉を発音しにくい点が挙げられます。特に「さ行」や「た行」が発音しづらくなってしまうので、接客業に携わっている方や営業の仕事をされている方の場合には、この点にも注意しなければなりません。また、通常の歯表面に装置を取り付ける歯列矯正と比較し、費用が高くついてしまう点もデメリットとして挙げられるでしょう。装置のメンテナンスにも、通常の矯正と比べ、特殊な技術を要するため、時間がかかってしまう点もデメリットになります。

矯正方法は、年単位での治療になってしまうからこそ、慎重に選ばなければなりません。満足のいく治療には、通常の歯列矯正と舌側矯正、それぞれのメリットとデメリットを充分に検討する必要があります。