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乳歯について

乳歯は大抵、生後半年ごろから生え始める子供の頃のみに使う歯です。最初に下の前歯から生え始めて、生後3歳頃には全て生え揃い、最終的に20本になります。生え始めにはかなり個人差があり、生まれた時に生えている例や1歳ごろから生え始めることもあります。全体的に小さくエナメル質象牙質が薄く、虫歯にもなりやすい歯ですが、近年の研究で幹細胞が多く含まれていることが分かり、再生医療などの分野で注目されています。

歯は6歳ごろには永久歯に生え変わり始めます。永久歯は親知らずを含めずに通常28本で、13歳くらいまでにほとんどが生え変わります。永久歯は本数が多いことからもわかりますが、乳歯の生えていない奥の歯茎に、第一大臼歯、第二大臼歯という大きなすり合わせ面を持つ歯が上下4本ずつ増えます。近年何らかの原因によって、歯の抜け変わる時期が遅くなったり、自然に抜けなかったりする子供たちが増えているようです。硬い食べ物の摂取が減ったなど、さまざまな原因が考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていないようです。また永久歯が先天的欠如により1本から4本生えてこない例も見られます。こちらも原因不明となっています。乳歯は通常30歳程度で抜けてしまいますし、もともと弱いものであるため、早期発見により義歯の使用や矯正など適切な処置を施さなくてはなりません。

乳歯は弱く虫歯になりやすいため、幼少期から歯の適切なケアを覚えるためにも、乳幼児期から歯磨きやうがいを慣れさせることが周囲の大人には求められます。乳児期には指に巻いたガーゼ等で軽く拭いたり、柔らかい毛の歯ブラシを使用して汚れを落としたりして正常に保ちます。いずれも歯の生えそろう前から始め、子供が歯磨きを楽しく感じられる工夫や習慣付けを心がけましょう。乳歯が重い虫歯を患っているとその奥の永久歯の生育にも影響を与える恐れがあります。永久歯を虫歯から守るためにも、虫歯のできやすい口内環境は永久歯に生え変わる前から改善しなくてはいけません。

乳歯はいずれは抜けてしまう歯ですが、永久歯にその場を譲るまでに大きな役割を果たすこととなります。咀嚼し食べ物を摂取するためにあるだけではなく、歯を大切にする心構えや生活習慣などを子供のうちから学ぶことができるのです。