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歯ぎしりについて

歯ぎしりはイビキなどと同様に自分では気づきにくく、家族以外の他人から指摘されづらい、発見のされにくいものです。専門的には「睡眠時ブラキシズム」といわれており、病気と考えられています。「睡眠時ブラキシズム」にはぎりぎりと擦りあわせて音を出すものだけでなく、歯をカチカチあわせたり、音は出さずに噛みしめたりする状態も含まれます。どの状態の「睡眠時ブラキシズム」もすり合わせることによる擦り減りや知覚過敏といった歯の症状だけでなく、体のあちらこちらに思いもよらない症状や疾患を引き起こす元となることがあるため、軽視できません。

歯ぎしりはストレスが主な原因と言われています。起きている状態でも悔しいと言った感情で歯を噛みしめたりしますが、睡眠中にもこれが行われ、歯を噛みしめることでストレスを緩和していると言われています。また、かみ合わせや内臓疾患によるものもあると言われていますが、諸説はまだはっきりとメカニズムが解明されておらず、治療方法も予防法もいまだ完全ではありません。

歯科医などで多くの人が行っているのが、マウスピース、マウスガード、スプリントによって歯の負担を減らす方法ですが、対症療法でそれ自体の予防にはなりません。しかし、歯や顎に与えるダメージは大きく、顎関節症の悪化や歯の消耗を予防することは口腔衛生上必須です。また、マウスピースの安心感が歯ぎしりを緩和するとも考えられています。 その他にも歯並びの矯正や逆流性食道炎など内臓疾患の治療によって緩和させる方法などもあり、ひとつに絞るのではなくいろいろな予防法や治療を合わせて使っていきます。

ストレスを緩和し、リラックスするための自己暗示法まである歯ぎしり治療。気づかぬうちに溜まるストレスは密かに心と体を蝕んでいるのでしょう。 歯ぎしりとは、強いストレスを抱え、人との繋がりや信頼関係が希薄となっている孤独な現代人の、起きて活動している間に我慢を続けていた心の叫びなのかもしれません。