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入れ歯について

入れ歯は、歯の欠損部分を埋めて、噛みやすさや話しやすさを改善してくれる、とても大切なものです。しかし、価格や作るための通院の煩わしさ、若年層によくある「恥ずかしい」「人に知られたくない」という抵抗感などのために、長い期間欠損を放置したり通院が遅れたりする場合も多くあります。こういった歯のない状況は、長期間続くと口腔内だけでなく体全体にまで不調を及ぼすこともあるため、早期の診療が必要です。さまざまな不安や抵抗感は、最新医療、綿密なカウンセリング、型どりや、歯科医との相談などで解消できることも多々あります。保険が適用される安価なものや、審美性が高く他人が見ても分かりにくいものなど種類も豊富ですので、自分の希望にあったものを探すことができます。

「総入れ歯は高額なもの」というイメージを持っている人は少なくありません。もちろん、保険適用外の自費であれば高額となりますし、審美性や機能を追求すれば、自ずと金額は上がります。しかし、保険を利用して作れば数万円程度で済ませることができます。歯科医や歯科技工士の腕に左右されることは否めませんが、型どりと綿密な調整によって、保険適用内で生活に支障のないものを作成することも十分可能です。

保険適用内でメインとなるのはレジン床のものです。入れ歯は、義歯の部分と、「床」と呼ばれる歯茎に似た色をした部分でできています。床は義歯を口腔内にフィットさせて安定させるためのものです。総入れ歯であれば歯茎に被せるもの、上の歯の場合には上あごを覆うように装着するものとなります。レジン床は厚みがあるため違和感を抱くこともありますが、安価で修理しやすいというメリットがあります。保険適用外では、金属の床を使い耐久性を高め、薄い作りで装着時の違和感を減らしたものがあります。素材はチタン、金、ニッケルクロムなどですが、金属アレルギーのリスクがあります。他にはインプラントと併用したり、アタッチメント・磁石などを使ってフィット感を高めたりと、いろいろな工夫がされたものがあります。

入れ歯は噛みやすさや話しやすさはもちろんですが、正常なかみ合わせを維持し、骨格の歪みや、さまざまな疾患を予防することに対しても重要な役割をもっています。「まだ残っている歯で噛めるから」と考えず、残った歯を守るためにも入れ歯は必要なのだと覚えておきましょう。