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仮歯について

仮歯とは、クラウン治療をした時などに、一時的な処置として歯に詰められるものです。クラウンや詰め物の製作には一週間程かかってしまうため、その期間を埋めるために取り付けられます。現在では質の良い物もあるため、中には、「このままでもいいのかもしれない」と思う患者もいます。しかしそれは誤りです。ここでは虫歯と仮歯との関係を簡単に説明していきます。

虫歯の治療に2週間以上かかったという経験がある人はいないでしょうか。それは、前述した通り、クラウンや金属の詰め物の製作期間と深く関わりがあります。虫歯の治療は、う蝕した部分の歯を削り取り、そこに仮歯を入れ、銀歯やクラウンが届いた後に仮歯を取りはめ込むという流れで行われます。銀歯やクラウンは患者一人一人の歯に合致した物を取り付けなければ、新たな虫歯や歯周病の原因になってしまいます。製作に1週間ほどの時間を要してしまう理由には、こういった事情があるのです。

仮歯のままでも良い、という考えは間違っています。仮の詰め物は、一度取り外して、クラウンを取り付けるために、取り外しが可能な程度に接着されています。これは、普段の食生活の中でも下手をしたらはがれてしまう程度です。はがれた部分から新たなう蝕が始まってしまいます。削り取った部分はでこぼこしており、そこに細菌や食べカスなどが溜まりやすく、新たな虫歯ができやすい、絶好のスポットになっているのです。はがれた場合には、これまでの治療は水泡に帰すと言っても過言ではないでしょう。そのような事態に陥ってしまった場合には、歯科医師に治療してもらわなければなりません。

患者の中には、「銀歯が見えてしまうのは嫌だ」という人も少なくありません。そのような人のために開発されたものが、特殊なクラウンや、特殊な仮歯です。自然歯に近い色艶をした物は、保険の適応外になってしまうことも多いですが、充分な審美性を備えています。一週間という短い期間ではありますが、治療には非常に重要な期間となっています。