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レセプトについて

レセプトとは診療報酬明細書や調剤報酬明細書のことを言います。病院、医院、歯科医院で診療報酬明細書が作成されており、調剤薬局で調剤報酬明細書が作成されています。またレセプト業務とはこれらの書類の作成を行う業務で、病院では医療事務、歯科医院では歯科助手や受付業務にあたるスタッフが行っています。これらの業務には特別な資格が必要というわけではありませんが、財団法人などによる技能検定があるため、未経験の場合には予備知識、下準備として取得しておくと、医療現場でのレセプト業務就業の際に便利かも知れません。また、この職種はパート、アルバイト、正社員と働き方もさまざまで、再就職しやすいことでも知られているため、出産や子育てで一時キャリアを中断するケースの多い女性に人気が高くなっています。

レセプトは、患者のデータや治療内容が診療点数とともに記載されるものであり、患者の個人情報を扱うため情報の管理には細心の注意が必要となります。氏名や生年月日に加え、健康保険の情報や、その人のもつ病気、いつ治療が行われたかまで記されます。最近ではコンピュータを使用し、オンラインでの申請が可能となりましたが、この業務の重要性に変わりはありません。また、診療報酬点数の合算と保険者への請求は病院、歯科医院を支える経理の役割も果たし、経営に大きく影響を与える失敗の許されない大切な仕事です。不正はもちろんですが、誤請求にも注意しなければなりません。

レセプトは毎月上旬(国保は5日、社会保険は10日)に前月分の提出をします。前月分の診療報酬点数を被保険者ごとに計算して、医療費の請求をそれぞれの保険者(国民健康保険は国民保険団体連合会)に送ります。オンライン化が進んでいますが、反対する人もいるため、紙ベースのものもまだ残っています。

私たち一般の患者たちにもレセプトは多くのことを知らせてくれます。通院ごとに受け取る領収証を見ると、実際に会計で支払った金額と点数が書かれていますが、例えば点数の方に着目すると、実際にかかった本当の医療費の額がわかります。あまり気に留めずとも生活に支障はありませんが、自分の体や医療費についての関心を高めるために、チェックしておくのも良いでしょう。