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プラークコントロールについて

プラークとは簡単に言うと歯に付いた汚れのことですが、ただの汚れや食べかすではなく、それらに細菌が付着して繁殖している状態のものを言います。口の中でネバネバとした物質が歯垢を包み込み歯や歯茎などに付きます。歯垢1ミリグラム中に約10億個もの細菌がいると言われています。その中でもミュータンス菌が虫歯の原因とされ、ボルフィロモナス・ジンジバリス菌が成人性の歯周炎を引き起こすと考えられています。細菌が繁殖し始めるには少し時間がかかり、学説により様々ですが24時間の放置で繁殖するとの意見が大勢です。さらに放置し続けると約2日間で歯石に変化し通常の歯磨きで除去するのは困難となります。

プラークが虫歯や歯周病の原因となることは先にも述べましたが、原因となる細菌の除去を行い、数を減らせば予防や改善になることは明らかです。それがプラークコントロールで、家庭でもできる簡単な方法があります。まずは丁寧なブラッシングと、食べたら磨くと言う習慣付けが大事です。特に就寝前の歯磨きは忘れてはいけません。睡眠中は唾液の分泌が減少し自浄作用も低下して細菌が繁殖しやすい状態になるからです。歯ブラシが届きにくい歯と歯の隙間などは歯間ブラシやデンタルフロスを使えば、8割から9割の歯垢が取れると言われています。さらに、フッ素配合の歯磨き剤も有効です。歯の周囲に微量なフッ素があると再石灰化を促し、ミュータンス菌による酸の生成を抑制します。毎日使う歯ブラシは、ヘッド部分が小さめで毛の硬さが普通からやや軟らかめのものが適しており、反対側から見て毛がはみ出しているようであれば交換の時期です。磨き終わった後に鏡を見ながら上の犬歯の付け根を爪で引っ掻いて、白い糊のような物が付いたらそれはプラークですので、もう一度磨き直したほうが良いです。勿論、歯科で歯面清掃(PMTC)を行えばプラークコントロールは万全です。高齢者に対し、現在残っている歯の数と咀嚼機能について調査したところ、大体20本以上の歯があれば殆どの食物を噛むことができると言う結果でした。年齢を重ねても自分の歯で美味しく食べられるように、日頃から自宅でできるプラークコントロールを行うと同時に、定期的な歯の検診なども受けて、予防と早めの発見、治療を心掛けることが大切です。