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デンタルフロスについて

デンタルフロスは近年、ブラッシングとともに使用が推奨され、その効用が認められていますが。しかし最初に作られたのは1800年代であり、長い歴史をもっています。糸で歯間を掃除するという概念は有史以前からあったと確認されており、現在の形に近いタイプのものはアメリカの歯科医によって初めて作られました。最初のフロスはシルクでできており、当時のアメリカでもあまり一般的とは言えないものでした。デンタルフロスが脚光を浴びることとなったのは第二次世界大戦後でした。この頃糸の素材は、シルクから切れにくいナイロン製のものへと変わり、歯間清掃の重要性が説かれ始めたのです。それから日本で一般的に使用されるようになるまでにも、長い期間を要しました。

デンタルフロスは歯と歯の間に糸状のものを通し、それを上下に動かす事によって歯間に溜まった歯垢や食べかすなどを掻き出すことを目的として作られています。ブラッシングだけでは掃除しきれない歯間を正常に保つことができ、虫歯予防に役立ちます。日本でも現在、様々なタイプのフロスが作られていますが、基本的なタイプとして、糸巻きに巻きつけてあるフロスを引き出し、切り取って使用するものや、歯間の清掃がしやすいようにプラスティックなどのホルダーにセットされているものがあります。付加価値としてフッ素加工のしてあるもの、滑りやすいようにワックスが塗られているものなども出ています。

効果的にフロスを利用するには、上手な使い方を知ることが大切です。長いフロスを糸巻きに巻いてあるタイプなら、長めに切り取ったフロスを指に巻きつけて、歯を巻き込むように上下に擦ります。歯と歯の間を通す時に勢いがつき歯茎を傷つけてしまうこともあるので、ゆっくりと前後させながら通していくようにしましょう。強く擦りすぎるのはその部分を傷つけてしまいますが、フロスの使い始めに出血があってもプラークが原因のこともあり、次第に改善するので、出血を恐れず続けることが大切です。

デンタルフロスと似たものに歯間ブラシがあります。こちらは歯周病などの疾患を持ち、歯と歯の隙間が大きく開いている人に有効です。またフロスが使用中に切れてしまう、歯間に入りにくい、フロス使用中に出血が続くようであれば、なにかの疾患が考えられます。